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不動産の生前贈与は相続とどう違う?メリットと注意点も併せてご紹介します!

生前贈与をご存知でしょうか。

相続を生前に行うだけだとお考えの方もいるかもしれませんが、異なる点はたくさんあります。

そこでこの記事では、生前贈与と相続の詳細な違い、またそれぞれの注意点やどちらを選ぶべきかなどをご紹介します。

財産の贈与についてお考えの方はぜひ参考になさってください。

 

□生前贈与か相続か

 

そもそも生前贈与とは文字通り、生前に財産を贈与することです。

ただし冒頭でも述べたように、相続と異なるのは贈与のタイミングだけではありません。

贈与税が課されるほか、不動産の評価額が大きくなる可能性があるという点にも注意しましょう。

 

では、生前贈与と相続のどちらを選ぶと良いのでしょうか。

生前贈与は、相続をする予定の財産が基礎控除額を超える、つまり相続税が発生することが予想される場合におすすめです。

しかし、繰り返しになりますが生前贈与には贈与税がかかり、贈与の取り消しを行うこともかなり難しいため慎重に判断する必要があります。

 

一方の相続は、生前贈与とは反対に相続する財産が基礎控除額に収まる場合におすすめです。

この場合、相続をしても相続税がかからないため、相続した財産をどのように分割するのかについてしっかりと話し合うと良いでしょう。

 

ただし、必ずしもこれらの判断が正しいというわけではありません。

生前贈与が適切なのかどうかは、相続する財産の規模を含めた個人の状況に大きく左右されます。

部分的に生前贈与を行い、後に相続を行うのがお得なケースもあるため慎重な判断が必要です。

 

□生前贈与は税金対策になる

 

生前贈与には贈与税が課せられることをご紹介しましたが、贈与税には財産が贈与される人1人あたり年間110万円を上限とした基礎控除という非課税枠があります。

つまり、110万円以内の贈与であれば贈与税が発生しないということです。

110万円というと財産贈与の額としては小さいように思うかもしれませんが、年間110万円の生前贈与を2人に対して10年間続けるとどうでしょう。

110万円×10年×2人で、合計2200万円の生前贈与が贈与税をかけずに行えます。

 

この方法であれば相続税もかからないため、かなりの節税になります。

しかし例のように10年かけて生前贈与を行うには早い段階からの計画が欠かせません。

 

生前贈与は節税になることをご紹介しましたが、では110万円を超えた場合の生前贈与は、果たして節税になるのでしょうか。

贈与税と相続税の税率を比べながら見てみましょう。

 

相続税は、相続額が1000万円以下で10%、3000万円以下で15%、5000万円以下で20%というように増えていき、6億円を超える場合は55%です。

一方の贈与税は、贈与された額が200万円以下で10%、1000万円以下で30%、3000万円以下で45%、そして4500万円を超える場合の55%が最大です。

どちらももう少し段階を細かく分けてはありますが、贈与税の方が圧倒的に税率が高くなっていることがわかるでしょう。

これを見る限りでは、生前贈与が110万円を超えた場合は相続税を支払った方が安く済むと思ってしまいそうですが、実は必ずしもそうではありません。

 

それは、生前贈与と相続を併用したケースです。

ここでは細かな計算式は記載しませんが、例えば生前贈与を行わずに1億5000万円の財産を2人に相続した場合、贈与税は0円、相続税は1840万円になります。

ところが2人に1000万円ずつを生前贈与した上で残りを相続すると、贈与税と相続税の合計は1714万円になります。

このような方法は相続する財産が多い人ほど有効で、早い段階から生前贈与を行っていくことでさらなる節税が期待できるでしょう。

 

□生前贈与の注意点とは

 

うまく活用することでかなりの節税が期待できる生前贈与ですが、ここからは生前贈与を利用する際の注意点をご紹介します。

 

それは、相続時精算課税制度についてです。

この制度を利用することで、2500万円までの贈与については贈与税が非課税になります。

その代わり、年間110万円までの非課税制度が利用できなくなります。

一度相続時精算課税制度を利用するともとには戻せないので、しっかりと検討してから選ぶことが大切です。

 

この制度を利用するメリットとしては、相続した財産の値上がりが確実な場合に相続税対策になることです。

2000万円の財産を贈与され、相続時にその財産の価値が5000万円になっていたとしても贈与時の価値である2000万円に応じた相続税のみが課せられます。

相続時精算課税制度は、例のように贈与時よりも相続時の方が資産価値が高かった場合にのみ相続税の節税が期待できます。

贈与時よりも資産価値が下がってしまうとかえって損をする可能性があるので、この制度を利用するかどうかは慎重に判断しましょう。

 

□まとめ

 

生前贈与と相続についてご紹介しました。

少しの工夫でかなりの節税が期待できる一方で、少し選択を間違えると多額の税金を課せられることになります。

少し難しい話ではありましたが、ご自身に関することですから知っておいて損はありません。

この記事が少しでも皆さんのお役に立てば幸いです。