AKHOME

column新着情報/ブログ

相続した不動産を売却するべきタイミングは?

いつかやると言っているうちに時間が経ってしまうことはよくありますが、不動産のように価格の大きなものはそうは言っていられません。

不動産は売却のタイミングを逃すと資産価値が下がるだけでなく、さまざまな不利益を被ることになります。

この記事では、相続した不動産を売却するタイミングと注意点をご紹介します。

 

□期限はあるのか

 

結論から言うと、不動産の売却や相続による名義変更すなわち所有権の移転に期限はありません。

また名義の変更は義務づけられているわけではないため、法務局から催促されることもありません。

よって名義の変更を行わないということ自体に問題はありませんが、名義変更を行わずに放置しているとデメリットがあります。

 

1つは相続登記を行うことが困難になる可能性です。

ご紹介したように相続登記には期限がないため、登記を先延ばしにしてしまう方が多くいます。

しかし、時間が経つにつれて登記に必要な書類の取得が困難になる他、万が一相続人が亡くなってしまった場合は相続権が別の人に移ってしまい遺産分割協議はさらに難化するでしょう。

相続登記は時間が経つごと、相続人が移っていくごとに手続きが困難になるので注意が必要です。

 

もう1つのデメリットは、不動産を売却できなくなるかもしれないことです。

売却時には当然名義を所有者から買主へ変更する必要がありますが、売主が所有者でない場合は直接の名義変更ができないため、売却は困難になるでしょう。

中には、名義が何代も前で止まってしまっているため相続人が数十人にのぼり、事実上売却が不可能になってしまった不動産もあります。

 

□不動産売却における特例について

 

取得費加算の特例という制度をご存知でしょうか。

不動産の売却時には譲渡所得に応じて税金を支払う必要があります。

譲渡所得とは、相続した不動産の売却額から売却にかかった費用と取得費、すなわち購入額の2つを差し引いた額のことです。

つまり、取得費が高ければ高いほど譲渡所得は安くなるため税額も安くなるということです。

 

取得費加算の特例を使うことで、売却したものにかかった相続税を取得費に加算できます。

加算できる額は相続による取得金額や売却したものによって異なるため、ぜひ確認してみてください。

 

ただしこの特例を適用するには、条件や注意点があります。

まず、亡くなった日から3年と10ヶ月以内に売却しなければ、取得費加算の特例は適用できません。

また夫婦間では適用できないケースが多いため、条件を満たしているかどうかをしっかりと調べましょう。

 

特例を適用する前提として、相続税を支払っていることが挙げられます。

親子間では相続税が発生するケースがほとんどですが、実は夫婦間では1億6000万円までは相続税を課さない、配偶者の税額減税という制度があります。

夫婦間で取得費加算の特例が適用されないケースが多いのは、このためです。

 

ちなみに夫の死後、妻が自宅を売却して施設に入居するというケースは多くありますが、この場合は3000万円の特別控除という特例が適用できます。

これは不動産の所有者が、その不動産を自宅として使用していた場合に限り売却した際の儲けを3000万円までなかったことにしてくれるというものです。

つまり3000万円以下で売却したのであれば、譲渡所得税は0円になるため払わなくて良いことになります。

3000万円の特別控除についても、もう少し細かな条件がありますのでぜひ確認してみてください。

 

□売却のタイミングとは

 

少し遠回りになってしまいましたが、相続した不動産を売却するタイミングは早ければ早いほど良いと言えます。

取得費加算の特例があるので、目安として3年10ヶ月以内ならいつでも良いとお考えの方もいるかもしれません。

しかし、相続し、売却を考えている不動産のほとんどは空き家ではないでしょうか。

 

空き家はしっかりと管理しなければ急速に劣化が進み、場合によっては台風や地震によって倒壊する可能性もあります。

空き家の劣化は資産価値の低下に直結し、売却価格に大きな影響を及ぼします。

万が一、倒壊してしまっては売れる見込みはほとんどありません。

 

それどころか、倒壊によりけが人が出た場合はその建物の所有者が責任を負う必要があります。

建物を所有しているにも関わらず管理を怠ったとして、治療費や損害賠償などを請求されるでしょう。

 

不要な不動産を所有し続けるということは、このようなリスクを常に背負っているということでもあります。

相続した不動産が遠方にある場合はこのような可能性について考えないことが多いです。

しかし、こういった事態に陥る前に相続登記を済ませ、売却手続きを完了させるのが最善でしょう。

 

□まとめ

 

相続した不動産を売却するタイミングについてご紹介しました。

まずは相続した不動産が必要か不要かをしっかりと見極めましょう。

不要であることが決まれば、リスク回避として早めに売却するのがおすすめです。

不動産の売却をお考えの方は、ぜひ当社にご相談ください。