不動産売却で相続税はどのようになる?わかりやすく解説いたします!
「相続した不動産を売却する際にどのような税金がかかるのか分からなくて不安」
相続した不動産の売却を検討されている方の中には、こうしたお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
どうせ相続した不動産なら、納得して安心な売却を行いたいですよね。
そこで今回は、不動産売却の際の相続税について解説します。
□相続税とは
「相続した不動産を売却する際は相続税がかかると聞いたことがあるが、具体的にどのような税金なのか分からない」
そうおっしゃる方も多いのではないでしょうか。
相続税とはつまり人の死亡や遺贈によって財産を相続する際に、それらの財産に対してかかる税金のことを指します。
そして不動産もこの相続財産に含まれます。
相続税は相続財産から葬式費用や非課税財産、借金などの債務を差し引き、さらに基礎控除額を差し引いた額で計算されます。
ただ平成27年より相続税における基礎控除が「3000万円+600万円×法定相続人の数」に引き下げられたため、課税の対象となる人も増えてきました。
相続税の対象となるのは、配偶者の税額軽減などの各種優遇措置と基礎控除額を差し引いた額です。
ただし税制上の優遇措置を受けるには、死亡が確認された翌日から10か月以内に相続人全員で話し合って作成した遺産分割協議書を税務署に申告する必要があります。
もし遺産分割協議会の際に遺言書があればそれに沿う形で分割を行い、無ければ法定相続人全員で分けることも可能です。
□相続した不動産を売却する際にかかる税金の種類とは
相続した不動産を売却するときにかかる税金は相続税だけではありません。
その具体例として、まず1つ目に登録免許税が挙げられます。
登録免許税とは、主に相続登記を行う時にかかる税金のことを指します。
また相続登記とは、相続した不動産の所有権を相続人へと変更するために行う手続きです。
この登録免許税にかかる具体的な税額としては、不動産の価格の1000分の1、つまり不動産の価額の0.4パーセントと定められています。
この際の課税の基準となる不動産の価額は、各市町村役場で管理されている固定資産課税台帳に記載されている価格になります。
したがって、不動産の価額は市町村役場で確認できると良いですね。
2つ目は、印紙税です。
印紙税は、不動産売買などの経済取引を行う際に作成する文書に対して課せられる税金のことを指します。
その税額は不動産の売却価格によって変動しますが、2000円から10万円とされています。
課税の対象となる文書としては、具体的に契約書や手形、領収書などが挙げられます。
また売買契約書も課税の対象として含まれます。
印紙税の納税は、求められる税額分の印紙を売買契約書に貼り、それを消印することで行えるため、知っておくと良いでしょう。
ただ平成26年の4月1日から令和4年の3月31日の間に作成される売買契約書には注意が必要です。
なぜなら、この期間内の作成された契約書は軽減措置で税額が低くなるからです。
この期間内に不動産売買契約書を作成する場合は、印紙税の軽減措置について十分に確認するようにしましょう。
3つ目は、譲渡所得税は相続した不動産を売却した際の利益に対して課せられる所得税です。
ただ譲渡所得税の税率は、売却する不動産の所有期間によって異なるため注意が必要です。
もしその不動産の所有期間が5年以下であれば所得税の税率は30パーセントになります。
一方で所有期間が5年超であれば15パーセントと税率が大幅に変わります。
これらは所有期間に応じて短期譲渡所得と長期譲渡所得と表されるため、参考程度に覚えておくと良いでしょう。
4つ目は、住民税です。
住民税の税率は、譲渡所得の9パーセントまたは5パーセントです。
こちらも先程と同様に所有期間で税率が異なるため、押さえられると良いですね。
5つ目は、復興特別所得税です。
この税金は、東日本大震災の復興のために必要な財源を確保するべく、令和19年まで所得税の税率に2.1パーセントが加算されるというものです。
その税率は譲渡所得の0.63パーセントまたは0.315パーセントで、こちらも所有期間で税率が異なるため押さえておきましょう。
□不動産売却にかかる税金の支払い方法とは
相続した不動産を売却する際にかかる税金は相続人全員で支払うことが一般的です。
もし相続人が複数いる場合は、不動産を売却して得た現金を分割するために一度代表者に名義を移します。
その際一度は代表者が費用を立て替えることになりますが、その後諸々の税金を現金で相殺して分割すると良いでしょう。
□まとめ
今回は、不動産売却の際の相続税について解説しました。
相続した不動産を売却する際は、相続税の他に登録免許税や印紙税、譲渡所得税、住民税、復興特別所得税などがかかります。
ぜひ今回ご紹介した不動産売却にかかる税金の支払い方法などもご参考に、見通しを持った不動産売却について検討されてみてはいかがでしょうか。